脊髄反射公的目録
tumblr
アーカイヴ

『000君だよね、久しぶり』多分僕がこれから永遠に聞くことのできない女性の台詞が僕の背中の方から聞こえてきた。
勿論、いよいよ現実の境目と妄想とがごっちゃになるところまできたのだなと思ったが、脳内会議において〔今の甘い台詞は現実か〕という議題で話し合ったところ現実であるとの声多数。
まさかとは思ったが“世界は広し”というありふれた言葉を思い出すことによって正気を取り戻した。
いつもの僕ならsexせよ!という命令が前頭葉を通り越して脊髄反射的に繰り出すのだが如何せん今回は間が悪かった。考え事をしていたのだ。
正直今回ばかりは良いアイデアが出てきていたと思うのだが邪魔をされてしまい眉間に皺をよらす程度ではあるが腹が立った。
物好きな奴もいるもんだなと振り返ると美人がいた。
はあ詐欺か、こんなところまで世間の闇が押し迫っていたのか、もう成す術はない。さあはやくラッセンのまがいものを召還するがいいと腹を決めていたが、この女性は本当に僕の同級生らしい。そういえば見たことがあるかもしれない。が、名前が出てこない。こんな美人の私の名前を忘れるなんてと相手は内心思っていただろう。僕の何世代も前のCPUでは処理速度が足りていない「オーバークロックしているのに。」と一人ごちたが、相手は自分の名前を呼ばれるのを待っているらしい。『雰囲気変わったね』とその美人が場をつないでくれた。ようやくフリーズしていた僕も機能を回復し、名前を思い出したのだが、その女性はえっという顔をしたかと思うと見る見るうちに眉間に皺がよっていき、そのぱちくりとしたお目目は養豚場の豚を見るような目に変化した。去っていく彼女を尻目に僕は亀甲縛りのハウツー本を握り締めていたことを思い出していた。

参考画像

ふぁぼ
jones_millionの今読んでる本